断尾について

断尾は動物の尾を意図的に切断する作業で豚や牛、一部の犬種などでも行われています。
めん羊の場合お尻周りを清潔に保つことで病気や虫を防ぎ、きれいな羊毛をとるため行います。断尾器という刃物を使う場合もありますがこの牧場では生後数日の子羊にゴムリングを装着します。ゴムリングをつけると血流が止まり壊死して2週間くらいでリングから先が脱落します。ゴムリングをつける箇所は牧場によって様々で付け根から完全に切断する羊飼いもいますが、ここでは関節3つ分くらいを残して切っています。尾をすこし残すことで肛門が完全に露出しないようにし、残った尾でハエなどの虫を払えます。また、尾を短くしすぎると尻の筋肉が発達しにくくなり、分娩時に支障をきたすという説もあります。
またこの牧場では雄羊は断尾しません。雌は分娩や交配時に尾が邪魔になりますが、雄には関係なく、また尿が排出されるのが腹のへそ辺りからなので雌と比べ尻まわりが汚れにくいからです。
雄の尾を残しておくと遠くからでも性別が見分けられます。

子羊の親(左:母、右:父)

今回3月22日に生まれた子羊は生後7日目にリングを付けて20日目に尾が脱落しました。たいてい脱落した直後に尾はカラスに持ち去られてしまいますが、今回はたまたま回収することができました。
上の写真は子羊の父母ですが尾の長さが全然違うのがわかると思います。