断尾について

断尾は動物の尾を意図的に切断する作業で豚や牛、一部の犬種などでも行われています。
めん羊の場合お尻周りを清潔に保つことで病気や虫を防ぎ、きれいな羊毛をとるため行います。断尾器という刃物を使う場合もありますがこの牧場では生後数日の子羊にゴムリングを装着します。ゴムリングをつけると血流が止まり壊死して2週間くらいでリングから先が脱落します。ゴムリングをつける箇所は牧場によって様々で付け根から完全に切断する羊飼いもいますが、ここでは関節3つ分くらいを残して切っています。尾をすこし残すことで肛門が完全に露出しないようにし、残った尾でハエなどの虫を払えます。また、尾を短くしすぎると尻の筋肉が発達しにくくなり、分娩時に支障をきたすという説もあります。
またこの牧場では雄羊は断尾しません。雌は分娩や交配時に尾が邪魔になりますが、雄には関係なく、また尿が排出されるのが腹のへそ辺りからなので雌と比べ尻まわりが汚れにくいからです。
雄の尾を残しておくと遠くからでも性別が見分けられます。

子羊の親(左:母、右:父)

今回3月22日に生まれた子羊は生後7日目にリングを付けて20日目に尾が脱落しました。たいてい脱落した直後に尾はカラスに持ち去られてしまいますが、今回はたまたま回収することができました。
上の写真は子羊の父母ですが尾の長さが全然違うのがわかると思います。

3月22日に子羊が生まれました

カラードミックス(父) × チェビオット/ロマノフ(母)、雌単子。
この牧場で生まれた羊(月齢13ヶ月)が母となり元気な雌羊を生みました。
出生時の体重は5.0kgでした。
毛質・毛色はチェビオットの特徴が強そうです。
若い雌の初産でしたが自力で分娩し子育ても上手で頼もしい限りです。
母子は分娩翌日から無事に他の群れと合流しています。

分娩翌日の様子です。

2月20日に子羊がうまれました。

カラードミックス(父) × フライスランド(母)、雄単子。
妊娠148日目に元気なカラードが生まれました。出生時の体重は6.6kg。
子羊は丈夫でしたが、分娩介助が必要で膣脱、排尿障害もあり母羊とっては大変な分娩でした。
分娩後に洗浄・整腹し、縫合して今は元気に草を食べています。

今回の子羊は2022年に山形から来たカラード雄の初の子で当牧場で生まれた初のカラード羊です(成長とともに違う色の毛に生え換わる可能性はありますが)。

良い毛が取れそうな羊なので去勢はせずに生体販売用に育てようと考えています。

11月8日に子羊が生まれました

チェビオット(父)× ロマノフスキー(母)、雌単子。
妊娠142日目に元気な子羊を産んでくれました。朝様子を見に行くと母羊の陰部が脹れて乳房も張ってきたので明日か明後日ぐらいに分娩かと思い、念のため小屋に隔離したらその日の昼に陣痛が始まりあっという間に出産となりました。

母子ともに健康なのは良いのですが、多産のロマノフ種が2産目で単子というのは飼育管理に問題がある可能性が高く、原因を調査中です。